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ザイムパートナーズは、派遣業に特化した社会保険労務士・税理士事務所です。


社会保険・労働保険の適正加入は必須です。

と、書くまでもなく当たり前のことではあるのですが、改めて加入しないといけなくなる基準をおさらいします。

先ずは、社会保険ですが、派遣業を考えると、有期雇用者であることも多いでしょうから、2ヶ月という期間を超えるかどうかがポイントになります。当初の雇用契約書での雇用期間が2ヶ月を超えるのであれば、雇入れ時点で加入する必要があります。また、2ヶ月以内の契約であったとしても、契約期間満了後も更新または別の派遣先で勤務する場合は、2ヶ月を超える継続勤務が確定するため、社会保険加入が必要となります。派遣先を2か月ごとに変えれば良いというわけではありません(派遣元が雇用者だからですね)。

そして、もう一つの条件として労働時間・日数の要件があります。要は、正社員と比べて、あまり働かない人は社会保険に加入させてはいけないわけです。

次の条件をすべて満たす者は、短時間のパートタイマー的な勤務であっても被保険者となります。

1.1日又は1週間の労働時間が正社員の概ね3/4以上であること。

2.1ヶ月の労働日数が正社員の概ね3/4以上であること

すなわち、健康保険・厚生年金保険に加入させる・させないの判定は次のとおりとなります。正社員の1日の労働時間は、法定で8時間ですから、通常は1日あたり6時間勤務するかどうか、が目安となります。

1日あたりの労働時間 1か月あたりの労働日数 加入させる・させないの判定
正社員の概ね3/4以上 正社員の概ね3/4以上 加入する
正社員の概ね3/4以上 正社員の概ね3/4未満 加入しない
正社員の概ね3/4未満 正社員の概ね3/4以上 加入しない
正社員の概ね3/4未満 正社員の概ね3/4未満 加入しない

そして労働保険(雇用保険)は、1週あたり20時間以上勤務する人は加入することになります(31日以上の雇用見込みがあることが前提です)。なお、雇用契約に更新する場合がある旨の規定があり、31日未満での雇止めの明示がないときや、 雇用契約に更新規定はないが、同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用された実績があるときは、31位日以上の雇用見込があるものと判断されます。

派遣法改正による影響

平成27年9月30日に公表された、「労働者派遣事業関係業務取扱通達」に、労働・社会保険の適用の促進について記載されていますが、派遣先に被保険者証等の写しを郵送・持参することが義務化されています。社会保険であれば、健康保険被保険者資格取得届・厚生年金保険被保険者資格取得届・雇用保険被保険者資格取得届のコピーを派遣先に提示することになります。なお、派遣スタッフの個人情報も含まれているので、郵送・持参する前に派遣スタッフの同意は必要ですし、同意が万一得られない場合は、生年月日や年齢を黒塗りすることが求められています。

もちろん、加入していない場合は、提示することができません。(当たり前ですが)

ただし、労働・社会保険に加入していない派遣スタッフについては、その加入していない理由を派遣先に通知しないといけません。下記の定めがあります。

派遣先に通知しなければならない事項は、次に掲げるものである(法第35条、則第27条の2、則第28条) 

① 派遣労働者の氏名及び性別(派遣労働者が45歳以上である場合にあってはその旨(60歳以上の場合はその旨)並びに当該派遣労働者の氏名及び性別、派遣労働者が18歳未満である場合にあっては当該派遣労働者の年齢並びに氏名及び性別)労働者派遣をする際に、性別等を派遣先に通知する趣旨は、派遣先における労働関係法令の遵守を担保することにあることに留意すること。 
② 無期雇用派遣労働者か有期雇用派遣労働者であるかの別通知をした後に当該事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を派遣先に通知しなければならない(法第35条第2項)。 
派遣労働者に係る健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の被保険者資格取得届の提出の有無(「無」の場合は、当該書類が提出されていない具体的な理由を付して派遣先及び派遣労働者へ通知しなければならない(則第27条の2))。 
具体的な理由としては、健康保険、厚生年金保険及び雇用保険の適用基準を満たしていない場合にあっては、単に「適用基準を満たしていないため」、「被保険者に該当しないため」等と記載するのでは足りず、「1週間の所定労働時間が15時間であるため」等、適用基準を満たしていないことが具体的にわかるものであることが必要である。

 

また、被保険者資格の取得届の手続中である場合にあっては、単に「手続中であるため」等と記載するのでは足らず、「現在、必要書類の準備中であり、今月の○日には届出予定」等と、手続の具体的な状況を記載することが必要である。なお、当該通知により、派遣先は当該労働者派遣に係る派遣労働者が派遣元において労働・社会保険に加入するか否かについての明確な認識を持った上で、当該労働者派遣の受入れを行う効果が期待できるものであることに留意すること。

さらに、派遣先にも下記の確認義務があります。

派遣先は、労働・社会保険に加入する必要がある派遣スタッフについては、労働・社会保険に加入している派遣労働者(派遣元が新規に雇用した派遣スタッフであって、当該派遣先への労働者派遣の開始後、速やかに労働・社会保険への加入手続が行われているものを含む。)を受け入れるべきものであり、派遣元事業主から労働・社会保険に加入していない具体的な理由の通知を受けた場合において、当該理由が適正でないと考えられる場合には、派遣元事業主に対し当該派遣労働者を労働・社会保険に加入させてから派遣するよう求めること。また、労働・社会保険に加入している派遣スタッフについては、派遣元事業主から送付されてくる被保険者証の写し等を確認すること。

「理由が適正でないと考えられる場合」の例は、「派遣労働者が労働・社会保険への加入を希望していないため」等のように加入の有無を派遣スタッフの希望で選択sしいる場合や、社会保険について「雇用期間が6箇月であるため」等のように法の適用基準を満たしているにもかかわらず、加入させていない場合等が考えられると要領には明記されています(具体的ですね・・・)

つまり、派遣契約の内容から、明らかに前段で説明した加入基準を満たしていると判断できる場合は、派遣先は派遣元に加入を求めなさいということになります。

 

このように、派遣会社に対しては、派遣先からのチェックも入るため、労働保険・社会保険の加入基準を熟知したうえで、適正な保険加入をしていく必要がありますのでご注意ください。