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ザイムパートナーズは、派遣業に特化した社会保険労務士・税理士事務所です。


2ヶ月以内の雇用期間なら社会保険は加入しなくてよいのか?

以前に、エントリーした記事(試用期間中の雇用保険・社会保険についての誤解 )でご紹介したとおりですが、2ヶ月以内の有期雇用であれば、社会保険の被保険者とする必要はありません。

ただし、2ヶ月以内の雇用契約であっても、更新条項の記載の有無によって被保険者とするかどうかは変わってきます。『有期労働契約の締結、更新 及び雇止めに関する基準』では、更新について下記の取り扱いをすることを求めています。

(1)使用者は、有期契約労働者に対して、契約の締結時にその契約の更新の有無を明示しなければなりません。
(2)使用者が、有期労働契約を更新する場合があると明示したときは、労働者に対して、契約を更新する場合又はしない場合の判断の基準を明示しなければなりません。
(3)使用者は、有期労働契約の締結後に(1)又は(2)について変更する場合には、労働者に対して、速やかにその内容を明示しなければなりません。

 

具体的には、雇用契約書等に ①自動的に更新する ②更新する場合があり得る ③契約の更新はしない のいずれかの記載をするわけですが、③であれば更新はないので契約期間が2ヶ月以内であれば、社会保険加入は不要となります。問題は①②です。この場合は、2ヶ月限定の雇用とは断定できないので、雇い入れの日より社会保険に加入させることとなります。

もちろん①②であっても、あくまで有期雇用契約なので2ヶ月のところで更新をしない(雇止めする)こと自体は問題ないのですが、社会保険加入については雇い入れ日から必要になるため、ご注意ください。要は2ヶ月を超えても雇用が続くことが期待される文言があると、社会保険加入ということになります。

また、①②の場合は雇用契約書に更新の基準について、下記のように記載する必要がでてきます。書面での明示が求められます。忘れないようにしたいところです。

(更新基準の例示)

・ 契約期間満了時の業務量により判断する
・ 労働者の勤務成績、態度により判断する
・ 労働者の能力により判断する
・ 会社の経営状況により判断する
・ 従事している業務の進捗状況により判断する

ちなみに、更新しない場合で、有期雇用の従業員がその理由の証明書を請求してきたときは、遅滞なく証明書を交付しなければなりません。(雇止めの後に労働者から請求された場合も同様です)

派遣契約期間は3ヶ月。だけど雇用契約期間は2ヶ月?

登録型派遣は、原則派遣契約期間と雇用契約期間は、通常一致します。例えば、3ヶ月の派遣契約なら、雇用契約も3ヶ月となるケースが多いです。

社保加入逃れのために、雇用契約期間を2ヶ月以内(更新なし)にすると、どうなるでしょうか?派遣契約が3ヶ月なのに、更新なしの2ヶ月で雇用が終わるスタッフを派遣するのは不自然です。しかも、派遣先通知書にも、社会保険加入の有無を記載する事項があります。

3ヶ月の派遣契約なのに、『社保未加入』。未加入の理由は、『2ヶ月以内の雇用契約のため、適用除外』。派遣先が、派遣スタッフの社保加入状況を確認することが義務付けられているなかで、コンプライアンス意識が高い派遣先は、違和感を覚えると思います。

派遣契約期間と雇用契約期間を一致させないといけないという法律はありません。派遣期間の途中で派遣社員が退職したら、代わりの人を補充すればいいからです。また、派遣先は派遣社員を特定(指定)することはできません。期間限定の派遣契約を結んで、その間に必要とする人数分派遣社員を受け入れられれば、それで足ります。

2ヶ月で雇用契約満了で退職すれば問題はありませんが、更新の契約を結んだときに(2ヶ月と1日目で)社会保険加入することが慣行化しているケースも多いと思われます。その状態が複数の派遣スタッフで確認できると、はじめから加入基準を満たす労働者だったのではないか?、と疑われる余地がでてきます。

労働局の指導・勧告の対象となる恐れもあるでしょう。徐々にクローズアップされる論点ではないかと推測しています。