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有期雇用の派遣スタッフを雇用契約期間満了前に解雇すると・・・

派遣スタッフと有期雇用契約を結ぶ、そして契約期間満了前に、派遣スタッフ本人に非がない(会社の経営悪化が理由)のに解雇した場合の判例が出ましたので紹介します。

比人派遣労働者解雇

判決まで賃金支払い 地裁、仮処分決定 /三重

毎日新聞2016年3月19日 地方版より引用しています)
シャープ三重工場(多気町)で働いていたフィリピン人派遣労働者が経営悪化を理由に契約期間中に解雇されたのは不当として、労働者3人が派遣元の「ジーエル」(松阪市)に地位保全と賃金支払いを求めた仮処分申請に対し、津地裁(坪井宣幸裁判長)はジーエルに1審判決まで賃金を支払うよう命じる決定を出した。

決定は14日付。3人が加入する労組・ユニオンみえによると、同工場のフィリピン人派遣労働者50人が昨年8月末に解雇され、うち3人が仮処分を申請していた。決定では、契約期間満了前の解雇について「人員削減の必要性は否定できないが、本件解雇をしないと倒産を避けられないほど高度な必要性は認められない」とした。

3人を含む労働者37人は今後、地位確認や賃金支払いを求める訴訟を津地裁に起こす予定。ユニオンみえの広岡法浄書記長は「期間労働者の権利が認められた決定で、組合の完全勝利」と話した。ジーエルは「本件は弁護士に一任しており、答えられない」としている。【井口慎太郎】

〔三重版〕

 

労働契約法17条で、有期契約スタッフの解雇について確認

有期雇用契約は、本来、雇用契約期間内の雇用を保証せざるを得ないものと、実務上は考えたほうが良いでしょう。理由は、労働契約法17条第1項です。

(契約期間中の解雇等)
第十七条  使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。

 

この条文がある以上は、今回の判例は、解雇理由が会社の経営状況の悪化ではあるものの、実態は倒産を避けられないほどの緊急性がある状態ではなかったので、解雇は無効ということになるのはやむを得ないといえます(とはいえ、倒産を避けられないほどの状態でないと契約期間満了前の解雇ができないというのも、非常に厳しいといえます)

さらに、現在の派遣法では、派遣契約が打ち切られたとしても雇用契約期間満了前の解雇はできないこととなっています。その旨を就業規則(就業規則作成が義務でない事業者は、雇用契約書)に記載しないと、派遣業の許可も得られないこととなっています。期間満了前の解雇は相当困難であり、仕事がなくとも労働基準法26条に定める休業手当の支給をせざるを得ません。雇用契約期間 イコール 給与の保証期間(最低でも平均賃金の60%保証)と考えるしかありません。解雇が認められるには、相当の理由が求められます。相当の理由については、下記記事も参考になると思います。

(参考リンク)

一般派遣は、有期雇用であることを意識する