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ザイムパートナーズは、派遣業に特化した社会保険労務士・税理士事務所です。


平成28年3月31日に、厚生労働省のHPに平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A[第2集]が掲載されました。今回は、派遣契約締結前に、派遣先から派遣元に通知義務がある「抵触日通知」についてまとめてみました。

そもそも抵触日通知とは?

派遣契約を締結する前に、派遣先は、派遣元に抵触日(事業所単位)を通知する必要があります。(派遣法第26条第5項、第6項)

(1)派遣先は、労働者派遣契約の締結にあたり、あらかじめ、派遣元事業主に対し、労働者派遣の受入れ開始の日以後、派遣受入期間の制限に抵触する最初の日(抵触日)を通知しなければなりません。

(2)派遣先から抵触日の通知がない場合は、派遣元事業主は新たに労働者派遣契約を締結してはなりません。

抵触日の通知方法は、書面の他、FAXまたは電子メールでもOKです。
抵触日通知を受けた後、派遣受入れ可能期間内で、はじめて派遣契約を締結することができます。

派遣元は、派遣労働者に抵触日を書面で明示する必要があります。(就業条件明示書に記載。なお、事業所単位だけなく、個人ごとの抵触日も明示します)

就業条件明示書は、原則書面交付です。FAXや電子メールは、派遣社員から希望があった場合のみ対応可能です。会社が勝手に指定できないので、ご留意下さい。

派遣契約更新の場合は、抵触日通知は不要では?

平成27年9月改正前の、25年7月に発行された「労働者派遣事業を適正に実施するために -許可・更新等手続マニュアル-」には、下記の記載がありました。この記載を根拠に、改正後の現在でも更新時には抵触日通知は不要だ。と考えている方も多いと思います。

P32 「派遣先からの通知は新たな労働者派遣契約を締結する際に行えばよく、契約更新の場合は必要ありません。ただし、契約締結後に、派遣先において抵触日が変更された場合は、その都度、派遣元事業主に対して通知する必要があります。」

 

しかしながら、改正後の28年3月31日に掲載された平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A[第2集]には、下記の記載があります。

Q17:  一の派遣先から、事業所単位の抵触日通知を既に受けている場合について、同一の派遣先に対して同一の派遣元が、派遣可能期間内に、異なる個別契約に基づき新たな労働者派遣を行う場合、改めて抵触日通知を受ける必要があるか。

A17:  派遣先が派遣元に抵触日通知を行うのは、派遣可能期間の認識共有を図るためである。労働者派遣契約の契約期間中に、新規の労働者派遣契約に基づく派遣を受け入れ、かつ当該期間中に受け入れを終了する場合は、抵触日が変わらないことが明らかであるため、派遣先は、派遣元への抵触日通知を省略することは差し支えない。

この文言ではわかりにくいので、下記の図をご覧下さい。

WS000035

WS000037

WS000041

 

抵触日通知は、事例1以外はすべて、契約の都度必要ということがわかります。
抵触日の変更に関わらず、同じ内容であっても通知が必要なのですね。

派遣契約の更新 イコール 新規契約と考えましょう。

「派遣契約の更新は、新たな派遣契約ではないから、抵触日に変更がなければ通知は不要では?」と思われる方も多いと思いますが、ここに落とし穴があります。労働局に確認しましたところ、『派遣法には契約更新の概念が無く、更新といえども、その都度「新たな」契約と考える』とのことでした。

上記で示した改正前の「労働者派遣事業を適正に実施するために-許可・更新等手続マニュアル-」では契約更新の場合は必要ないとされてましたが、労働局の方がおっしゃるには当時から疑義があったようで、今回のQ&Aをもって、派遣契約の都度抵触日通知が必要ということが明確に示されたようです。

抵触日の未通知(派遣先)、抵触日の通知を受けずに派遣(派遣元)は、派遣先・派遣元ともに指導の対象になります。派遣契約締結・更新の際には、派遣先から抵触日通知を、確実にもらえるような仕組みを用意しておきましょう。