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ザイムパートナーズは、派遣業に特化した社会保険労務士・税理士事務所です。


例えば、昼の休憩時間中に従業員が勝手に労働し、後日その労働した時間を含めた残業時間の申告があった場合、会社は残業代の支払義務があるのでしょうか?

残念ながら、会社は残業代を支払う必要があります。

労基法第34条では、会社は従業員に、労働時間(休憩時間を除いた時間)が6時間を超える場合は「少なくとも45分」、8時間を超える場合は「少なくとも1時間」の休憩を与えることが義務付けられています。

休憩時間中に働いた結果、
1日の労働時間が8時間を超えた場合には「125%の割増賃金×休憩時間中の労働時間」、
所定労働時間が8時間未満の場合は「時給×休憩時間中の労働時間」の支払義務が生じます。

「会社の指示が無く、社員が勝手に働いたのに、どうして残業代を支払わなければならないのか?」と疑問に思われる方も多いでしょう。

ですが、会社の指示や事前承認の無い場合であっても、会社がその状態を黙認していれば、「会社側に黙示の承認があった」とみなされ、時間外(所定外)労働になってしまうのです。定時後に従業員が勝手に残業してしまう(いわゆるダラダラ残業)のと同じ論理ですね。

ここで注意しなければならないことは、休憩を与えなかった(あるいは規定より少ない)場合、労基法違反となってしまうことです。残業代を支払ったからといっても、休憩の付与義務は消滅しません

労基法違反(休憩を与えなかった場合)の罰則

労基法119条 六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金

実際に、勤務の途中に休憩を与えていない会社が書類送検された事例もありますので、要注意です。

休憩時間に勝手に働いたり、ダラダラ残業を防止するためには?

現実的な対処法としては、『休憩時間を含め、残業を上司の承認制にする』ことが一般的です。導入に当たって、次の3点の注意点があります。

① 上司の承認がない残業があった場合には、理由を確認し、事後であっても承認書類を作成し、どうしても必要と認められる残業時間について本人の確認を得る。そして、承認なき残業については、必ず確認・叱責を受けるという『煩わしさ』を社員に認識してもらう。

② 就業規則においても、上司の承認なき残業は原則として認めない旨を追記する。

③ 上司の指導にも従わず、長時間、在社し続ける社員に対しては、「業務命令として、終業時間を経過した以降は帰宅すべき旨を命じる」等の残業禁止命令を書面で通知し、本人の反省(承認)の署名をもらうこと。つまり、常に残業管理を会社が行っていることを外部(監督署)に理解してもらえる体制を作る。

承認のない残業について、一切残業代を払わないと決めるだけでは、意味がありません。あくまで、残業について会社が常に管理しているという記録を書面で残していく必要があります。

口頭で、『社員が勝手に残業をしている。注意しても聞かない・・・。』と説明しても、監督署・裁判の現場では、書面で立証できないことは、事実として採用されません。今後の労務トラブルを回避するために、会社として規律ある体制づくりを構築する必要があります。また、業務内容を見直し、休憩時間及び残業せざるを得ない業務量の場合は、業務負担を軽減する等の配慮も必要です。それが社員の休息・ゆとりの確保にもつながり、結果として社員の労働環境も改善されると思われます。