60歳以上派遣スタッフ採用のメリットと、使える助成金?
60歳以上派遣スタッフの、3つのメリット
現在の派遣法ではいろんな規制があって、派遣会社さんは管理すべき点が多いです(実際、派遣会社の運営は、一般会社とは異なる大変さがあります・・。)
そのなかで、60歳以上のスタッフを派遣するときは、以下の3つのメリットがあります。
①日雇い派遣OK
②事業所単位・組織単位(個人単位)の期間制限がない
③1年以内に離職した会社へも派遣OK
端的にいえば、面倒な管理をしなくともよいわけです。これは、60歳以上の方は再就職が困難なため、就業機会を増やすために設けられた緩和措置ですが、さらに無期雇用で60歳以上の派遣スタッフを雇用している派遣元会社は、次の助成金が適用できる可能性があります。
65歳超雇用推進助成金が、2016年10月19日からスタート
上記の助成金が、平成28年度補正予算を経て新設されました。具体的な受給額は以下のとおりです。
(1)65歳への定年引上げを実施 ・・・助成金額100万円
(2)66歳以上への定年引上げまたは定年の廃止・・・助成金額120万円
(3)66歳以上への継続雇用 ・・・助成金額60~80万円
現状、60歳以上で『無期雇用』の派遣スタッフがいる(当然、雇用保険の被保険者であることは必須です)のであれば、自社の就業規則を確認してください。1年以上前(正確には助成金の申請日前1年前)に就業規則が作成されており、次のA・Bのいずれかが記載されていれば、受給の可能性があります。
A.定年が60歳以上で、かつその後65歳までの継続雇用制度があり、希望者は、原則として全員雇用を継続される。
B.定年が60歳以上で、平成25年3月31日までに実施された就業規則であれば、労使協定があることを前提に、下記の年齢まで継続雇用が行われる。
平成25年4月1日から平成28年3月31日までの期間は、 61歳まで継続雇用。
平成28年4月1日から平成31年3月31日までの期間は、 62歳 〃
平成31年4月1日から平成34年3月31日までの期間は、 63歳 〃
平成34年4月1日から平成37年3月31日までの期間は 64歳 〃
1年以上前に就業規則があることが必須なため、現時点(平成28年10月27日)では、設立1年目の派遣会社は、残念ながらこの助成金の対象外となります。
なお、この助成金は就業規則の改定【(1)(2)(3)のいずれかの実施を就業規則に記載する】が必要ですが、社会保険労務士等の外部コンサルタントに改定報酬を支払う必要があります。自社単独で就業規則を改定しても助成金は受給できません。外部の協力を経て、60歳以上のスタッフが働きやすくなる制度を作る会社へのご褒美というイメージでお考え下さい。
今回、動画も作成しましたので、よろしければご覧くださいね。ちなみに、この助成金の日本全体での予算は、約7億円と発表されています。1社あたり平均100万円とすると、わずか700社しか受給できないことになります・・・。該当する派遣会社は、申請を急がれた方が良いでしょう。