平成29年5月30日より派遣労働者業務取扱要領が改正されました。
労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成29年5月30日以降)が平成29年6月1日に公表されています。前回の変更が同年1月でしたので、5ヶ月での改定となります。今回は、5月30日より施行されている改正個人情報保護法に沿った改定が中心です。
例えば、要領の第10【個人情報保護法等の順守等】1概要(3)には追記がなされています。
平成29年1月の要領記載内容
個人情報保護法に違反した派遣元事業主については、個人情報保護法に基づく助言等の対象となると同時に、法に基づく指導助言等の対象ともなり得るものである。
↑が、↓となっています。違反した場合に、誰が指導・助言するのかを明らかにしたわけですね。
平成29年5月の要領記載内容
なお、平成 29 年 5 月 30 日に全面施行の個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律(平成 27 年法律第 65 号。以下「個人情報保護法等改正法」という。)により、個人情報保護法に違反した派遣元事業主については、個人情報保護法に基づく個人情報保護委員会による指導・助言等の対象となることとなった。また、法に違反する場合には、法に基づく指導・助言等の対象ともなり得るものである。
また、下記が削除されています。
雇用管理に関する個人情報の取扱いについては、「雇用管理分野における個人情報保護に関するガイドライン」(平成 24 年厚生労働省告示第 357 号)に留意すること。
平成29年5月30日をもって、「雇用管理分野における個人情報保護に関するガイドライン」は、個人情報保護委員会の個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)他3編のガイドラインに一元化されることに伴い廃止されたためです。これに伴い、要領の『個人情報保護法等の規定並びに派遣元事業主が講ずべき措置及びその主な留意点等』が変更になりました。
どう変わったかを確認してみましょう。 変更前の要領では、実に293P~310Pにわたり記載されていた内容は、以下のみとなりました。
派遣元事業主に課せられる義務に係る個人情報保護法及び個人情報保護法施行令の規定並びに派遣元事業主が講ずべき措置及びその主な留意点等については、以下のとおりであること。
(1) 個人情報取扱事業者に該当する派遣元事業主
① 個人情報保護法等の遵守について
派遣元事業主は、派遣元指針第2の 10 の(3)により、個人情報取扱事業者に該当する場合には、個人情報保護法第4章第1節に規定する義務を遵守しなければならないこととされていること。具体的には、個人情報取扱事業者に該当する派遣元事業主は、個人情報保護委員会が定める「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」等に留意しなければならない。また、法第 24 条の3及び派遣元指針第2の 10 の(1)及び(2)の遵
守に当たって留意すべき点は第5の6のとおりであること。
なお、個人情報保護法等改正法により、取り扱う個人情報が 5,000 人分以下の事業者に対しても個人情報保護法が適用されることとされている点に留意すること。
② 漏えい等の事案が発生した場合等の対応について
「個人データの漏えい等の事案が発生した場合等の対応について」(平成 29 年個人情報保護委員会告示第1号)等により対応すること。
シンプルになりましたが、要するに1名でも登録者がいる派遣会社は、改正個人情報保護法に沿って運用しなさいということになったわけです。
いずれにしても、派遣スタッフの個人情報については配慮義務があるわけで、慎重な取り扱いが求められます。派遣会社のコンプライアンス意識が益々問われる時代になってきたと言えます。
主要な改正項目は下記で確認できます。