特定技能1号の派遣はNG。職業紹介はOK
特定技能1号では派遣はできない
『特定技能1号』という言葉に関心を持つ派遣会社が増えています。人材不足のなか、とくに製造業派遣の会社では関心が強くなっています。登録支援機関の申し込みをした派遣会社も多いと思います。(2019年6月13日現在の登録支援機関数は617社、うち愛知県で69社)
ただ、結論としては特定技能1号での在留資格では、派遣することはできません。直接雇用のみに限定され、かつ14個の特定産業分野での就労に限定されます。これについては、過去記事で解説したとおりですが、外国人材の受入れ制度に係るQ&Aにも以下が記載されています。
Q33 人材派遣会社は受入れ機関になることができますか?
【A】人材派遣会社が派遣元として受入れ機関になるためには,入管法令で定める受入れ機関の基準及び派遣元の基準を満たす必要があり,特定産業分野に係る業務又はこれに関連する業務を行っている場合などの要件を満たさなければ派遣元として受入れ機関になることはできません。
下線部分を補足説明しますと、派遣元会社自体が、①14業種のいずれかを実際に営んでいるか、または②14業種のいずれかを営んでいる団体からの過半数出資または役員を受け入れている場合なら派遣することはできます(Q23参考)
特定技能1号であれば、人材紹介はできる
外国人の方が特定技能1号の在留資格を得るには、18歳以上で技能試験及び日本語試験の合格が必須となります。ただし、技能実習2号修了者は試験は免除となります。
特定技能1号の在留資格を得たあとは、先の14業種に限定して自由に職業を探すことができます。企業に直接応募することも、あっせん機関を通じて応募することもできます。技能実習生の受け入れのような監理団体を経由する必要もありません。転職も可能です。
派遣会社としては、特定技能1号という在留資格にビジネスチャンスを感じながらも、派遣することは、前述したとおり法的に原則NGということになりますが、有料職業紹介事業として収益化することは可能です。
そして登録支援機関としてサポートをすることで、紹介先から更に継続的な手数料を得ることもできるでしょう。有料職業紹介事業プラス登録支援機関というスタイルは、今後増えてくるように思われます。もちろん、登録支援機関は外国語対応ができる人材が在籍(常勤でなくとも良いし、直接雇用に限定されません。)
なお、派遣業許可を受けている事務所で、登録支援機関として登録(同じ事務所で派遣業と登録支援機関業務を兼務すること)について問題はないのか?というご質問をいただくことがありますが、東京労働局HPのQ&Aの回答どおり、それ自体に問題はありませんし、派遣業の許可を得ている事務所での登録支援機関登録もできます。
Q3-4 派遣業と他の業務を同じ事務所で行うことは可能ですか?
A3-4 可能です。ただし、派遣労働者や登録者の個人情報を取り扱う社員や責任者、苦情対応者を定めておくこと、不正なアクセスを防止する措置がとられていること、不要になった個人情報を破棄・削除するための措置を講じておいてください。
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