27年度キャリアアップ助成金(正規雇用等転換コース)
平成27年4月10日より、キャリアアップ助成金の助成内容が変わりました。
キャリアアップ助成金の概要はこちらです。
なお、赤字部分は、平成28年3月31日までの間、支給額を増額または要件が緩和されています。( )内は大企業の額です。
キャリアアップ助成金(正規雇用等転換コース)
派遣労働者向けの人材育成コースは紹介予定派遣のみ対象ですが、正規雇用等転換コースは通常の派遣労働者を正社員として直接雇用した場合にも受給できます。
① 有期契約の派遣労働者を正社員として直接雇用 | 1人当たり80万円(70万円)※27年度改定 |
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② 無期雇用の派遣労働者を正社員として直接雇用 | 1人当たり60万円(55万円)※27年度改定 |
③ 有期契約社員を正社員に転換 | 1人当たり50万円(40万円) |
④ 有期契約社員を無期契約に転換 | 1人当たり20万円(15万円) |
⑤ 無期契約社員を正社員に転換 | 1人当たり30万円(25万円) |
※母子家庭の母等を転換または雇用した場合は、上記助成額に①③1人当たり10万円、②④⑤5万円(大企業も同額)が加算されます。
受給するための要件はとても簡単。就業規則に転換制度を定め、下記のステップを踏むだけです。
①キャリアアップ計画書を労働局またはハローワークに提出 ②勤続6ヶ月以上※の非正規社員を面接試験や筆記試験等を経て正社員に転換する。 ③正社員として6ヶ月以上雇用する ※キャリアアップ助成金人材育成コース「有期実習型訓練」修了者は、雇用期間が3ヶ月以上でも対象となります。 |
ただし、転換前が試用期間など、正社員になることを前提として雇い入れた場合はNGです。
ここでいう「正社員」とは、会社毎に差異はありますが、一般的に下記の対象の方が多いです。
①契約期間の定めが無い ②給与が月給制 ③昇給・ボーナス・退職金の支給がある
有期雇用から無期雇用に転換した場合は、5%以上の基本給UPが必要ですが、正社員転換の場合は特に定めはありません。給与額が変わらなくてもOKです。転換前(パートタイマーや有期契約社員)と正社員転換後の労働条件が就業規則や賃金規程、雇用契約書等で区別され、明記されていればOKです。
◆キャリアアップ助成金では、正規雇用労働者を次のように定義しています。
次のイからホまでのすべてに該当する労働者をいいます。
イ 期間の定めのない労働契約を締結している労働者であること。
ロ 派遣労働者として雇用されている者でないこと。
ハ 同一の事業主に雇用される通常の労働者と比べ勤務地又は職務が限定されていないこと。
ニ 所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同じ労働者であること。
ホ 同一の事業主に雇用される通常の労働者に適用される就業規則等に規定する賃金の算定方法及び支給形態、賞与、退職金、休日、定期的な昇給や昇格の有無等の労働条件について長期雇用を前提とした待遇が適用されている労働者であること。
また、就業規則には、下記の規定が必要です。
①面接試験や筆記試験等の適切な手続 ②要件(勤続年数、人事評価結果、所属長の推薦等の客観的に確認可能な要件・基準等) ③実施時期(例:毎年4月1日、毎月1日、随時等) |
就業規則の規定がとても重要です。例えば就業規則で毎年4月1日と明記しているのに10月1日に転換した場合は、例外となり助成金の対象になりません。
臨機対応に実施したい場合は転換時期を「随時」としたり、日にちを明記する場合は「原則として」など文言をプラスすることで、申請が可能になります。