純資産を減らさない節税 その1 ~特別償却の準備金方式~
設備投資(プログラム等のソフトウェアも対象)をしたときの節税として、特別償却と呼ばれる優遇税制があります。購入した機械などは、購入した年度で全額経費になるのではなく、減価償却費として耐用年数にわたって、少しずつ経費化していきます。節税的にはじれったいのですが、特別償却を選択すると、通常の減価償却費に加算して、購入金額×最低30%の特別償却費を加算することができます。減価償却費という経費が増えるわけですから節税にはなるのですが、これも純資産額が減ってしまいます。
ただし、この特別償却には、減価償却費として処理しなくとも税金計算上は、損金と認められる『特別償却準備金』という表示方法も認められています。また、特別償却に代えて、税額控除という制度を取れば、特別償却費を計上することなく税金だけを減らすことも可能です。購入年度の節税効果は、特別償却の方が高いことが通常ですが、純資産を減らさずに税金だけを減らす方法もあることは憶えておくと良いでしょう。最近では、生産性向上設備投資促進税制という、購入資産を購入年度で100%損金処理ができる税制のご相談が多いですが、その場合でも準備金方式を使うことを推奨します。
派遣会社は、純資産を減らさない節税方式を優先しましょう。