改正労働者派遣法のおける資産基準(27年9月15日での案)
小規模特定派遣事業者のための資産基準
平成27年9月15日での、第227回労働政策審議会職業安定 分科会労働力需給制度部会の資料が公表されています。もっとも気になる論点であろう、一般派遣業への一本化に伴う資産用件ですが、改正案が記されています。現行の1事業所当たり純資産2000万円・現預金1500万円の財産基準が、小規模な事業者に対しては下記のとおり軽減されるようです。
改正前 | 改正後 | |||
対象事業者 | 全ての事業者 | 右2つに該当しない事業者 | ①常時雇用している派遣労働者が10名以下の事業者 | ②常時雇用している派遣労働者が5名以下の事業者 |
現預金の下限 | 1,500万円 | 800万円 | 400万円 | |
純資産の下限 | 2,000万円 | 1,000万円 | 500万円 |
常時雇用している派遣労働者が10名以下の場合は、資産要件が緩和されています。常時雇用ですので、現行の従業員10名以下の特定派遣業の会社を救済するための施策と考えて良いでしょう。これから新規に派遣会社を立ち上げる場合は、最低500万円の資本金は用意する必要がでてきます。10名(または5名)を超えたら、いつの時点で資産要件をクリアすれば良いのかなど、具体的な手続きは、まだこれから決められるのでしょうが、一つの目安となる金額が公表されたことはありがたいですね。なお、①については当分のあいだは、この基準を適用。②については改正法施行後3年間の基準とされています。
新設法人の消費税免税
①の場合の注意点として、ストレートに資本金1,000万円で会社を設立すると、第1期より消費税の課税事業者となり、税負担が生じます。これを回避するためには、1000万円を資本金と資本準備金に分けて登記すると良いでしょう。例えば、資本金500万円・資本準備金500万円として会社を設立します。これならば純資産は1000万円クリアしていますが、消費税は少なくとも第1期は免税となります。会社設立時に注意することで、税負担が大きく軽減されるので検討を忘れないようにしたいところです。