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eラーニングで教育訓練を行う場合の注意点

投稿日: 2016-09-21 |
最終更新日: 2016-09-21 |

派遣法改正

キャリアアップに資する教育訓練

派遣元会社は、教育訓練をしないといけない。これ自体はかなり認知されてきたと思いますが、実際に教育訓練カリキュラムをどうすれば良いかは、多くの派遣元会社の頭を悩まさせているところではないでしょうか?

自社でカリキュラムを組むのが難しい場合、割り切ってeラーニングを導入することも有効です。派遣スタッフが会社や自宅のパソコン、スマートフォンなどでいつでも受講できます。カリキュラムそのものは、実際に派遣元での業務で必要とされない(関連性が低い)ものも多いですが、エクセル・ワード等のPCスキルを磨くためなど、派遣スタッフの今後のキャリアアップに資するものであれば、現在の業務に直接関係しないものでも、カリキュラムに含めても差し支えないです。また、派遣先の協力を得て実施するスタイルでも構いません。

カリキュラムの内容そのもので、労働局より指導を受けるケースは少ないと思います。そもそも訓練時間にも給与を払わないといけないため、無駄な学習をさせるケースは現実的に考えにくいでしょう。趣味的な学習(ヨガ教室やアロマ教室などのカルチャースクール的なもの)を除けば、大抵の訓練は認められるはずですので、過度に高度な訓練カリキュラムを設定しないといけないわけではありません。

なお、派遣業の許可または更新を行った年は、労働局に提出した教育訓練カリキュラム(計画)に沿った訓練を実施することが求められますので、安易にカリキュラムを決めるのは避けたいところです。

eラーニングを実施する場合の注意点

教育訓練を実施した場合、派遣元管理台帳に、その訓練日時と内容を記載することが必須です。日時と記載されているため、訓練を○時~●時まで実施したという記載が求められると判断できるでしょう。労働者派遣事業関係業務取扱要領に記載されている派遣元管理台帳の例示を見ると、日付だけの記載になっていますが、文言としては『日時』と明記されていますので注意すべきです。

そもそも、訓練時間に給与が支給されているか(有給訓練)であるかどうかを判断する観点からも、訓練時間の把握は必要なはずです。特にeラーニングを導入する場合は、所定労働時間外(派遣先での勤務外)で受講してもらうことが通常でしょうから、なおさら把握が必要です。なぜなら所定労働時間外(法定労働時間外)に勤務する場合には、割増賃金の支給も必要となるからです。訓練時間の把握ができないと、適正な賃金の支給ができるはずもありません。また、何時間の学習・訓練をしたかの把握も必要なため、確実に訓練時間を把握しておく必要もあります(年8時間以上の訓練時間が必要だからです)。

eラーニングであっても、当然、時間管理は必要となります。とくにeラーニングでは、いろんなカリキュラムが細切れになっていることも多い(1コンテンツ15分とか)ので、面倒ではありますが派遣元管理台帳に記載するときは注意が必要です。毎日15分のeラーニングということであれば、日々のeラーニングの受講カリキュラムのすべてを派遣元管理台帳に記載することになります。

もっとも、注意すべきなのは派遣スタッフが、派遣先の現場の休憩時間にスマートフォンで受講するようなケースです。スタッフは受講しないといけないという義務感から、昼休みをつかってカリキュラムの視聴を進めていくことが考えられますが、休憩時間であっても教育訓練を受ける以上は、それは『有給』でないといけません。教育訓練 イコール 仕事 と考えるのが派遣法の考え方ですから、昼休みにスマートフォンで視聴している時間は当然、給与が発生するわけです。

所定労働時間外でのeラーニングで給与を支給することは理解できていても、昼休憩などの時間に視聴する場合でも給与を支給するといったことまで認識されている方は少ないと思います。勤務時間内であっても別に給与は発生する。そして、派遣元管理台帳と給与台帳をサンプルチェックすれば、給与が払われているかどうかは容易に判断できます。

このような指導を受けるケースも、いずれ出てくるのだろうと推測されます。派遣元管理台帳に記載された訓練時間と給与明細との整合性は問われることは間違いないのでご注意を・・・。

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