派遣業における常用労働者とは?
特定労働者派遣事業の定義を改めて、派遣法で確認すると、下記のとおり定義されています。派遣法第2条5号に拠ります。
特定派遣業とは、その事業の派遣労働者(業として行われる労働者派遣の対象となるものに限る。)が常時雇用される労働者のみである労働者派遣事業をいう。
文字通り、『常時雇用される労働者』だけを派遣するのが特定労働者派遣事業であり、常時雇用でない労働者(期間限定の労働者)を派遣する場合は、一般派遣業の許可が必要となるわけです。ところで、常時雇用される労働者とは、具体的にどうであれば良いのか?正社員であれば問題はないのでしょうが、パート的な働き方をする人を派遣しても問題ないのか気になるところです。
これについては、労働者派遣事業関係業務取扱要領に下記の記載があります。ポイントは、期間の定めがない雇用契約を書面で示すこと または更新がされることにより、実態として常用雇用(1年を超えて雇用されている)されていることになります。
「常時雇用される」とは、雇用契約の形式の如何を問わず、事実上期間の定めなく雇用されている労働者のことをいう。
具体的には、次のいずれかに該当する場合に限り「常時雇用される」に該当する。① 期間の定めなく雇用されている者
② 一定の期間(例えば、2か月、6か月等)を定めて雇用されている者であって、その雇用期間が反復継続されて事実上①と同等と認められる者。すなわち、過去1年を超える期間について引き続き雇用されている者又は採用の時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる者
③ 日々雇用される者であって、雇用契約が日々更新されて事実上①と同等と認められる者。すなわち、②の場合と同じく、過去1年を超える期間について引き続き雇用されている者又は採用の時から1年を超えて引き続き雇用されると見込まれる者
なお、雇用保険の被保険者とは判断されないパートタイム労働者であっても、①から③までのいずれかに該当すれば「常時雇用される」と判断するものであるので留意すること。
常時雇用という表現を見ると、例えば雇用保険・社会保険に定義されるような『週○時間以上勤務』といった、時間要件が課せられているように誤解しているケースも見受けられますが、上記の記載通り保険加入しているかどうかで判断するわけではありません。
雇用契約書の記載内容に、本人からの更新希望があれば更新する・もしくは自動更新・期間の定めは一切ない といった、会社側からの雇い止めを想定させる文言を記載する場合は、一般派遣業の許可が必要になるので注意しましょう。
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