派遣スタッフと2017年からの育児介護休業法の適用について
有期雇用の派遣スタッフの育児休業について
育児・介護休業法は平成28年3月に改正され、平成29年1月1日より施行されます。当然、派遣会社にも適用されます。正社員(無期雇用)だけでなく、有期雇用の登録型スタッフにも適用されるわけで、特に育児休業の取り扱いは注意が必要です。
従来は、有期雇用のスタッフの場合、①1年以上の継続雇用があり、かつ②育児休業の申し出時点で、子が1歳になった後も雇用継続の⾒込みがあるのであれば1歳に達するまでの間、育児休業を認める必要があったわけです。平成29年1月からの育児休業の申し出があった場合には、下記の2要件を満たせば育児休業を受け入れることが義務と改正されています。
②ただし、子が1歳6か月になるまでの間に更新されないことが明らかである者を除く(ここが改正されています)
②の判断は、雇用契約書の更新条項で行われます。つまり、子が1歳6か月になる前に雇用契約期間が満了し、更新しないとなっていれば育児休業を認める必要はないわけです。逆にいえば、更新しないとなっていない状態(・自動的に更新する OR・更新する場合があり得る 等)だと育児休業を受け入れることになります。
もちろん、妊娠をしたことを理由に、更新条項を派遣スタッフに不利な条件に変更することは認められていません。更新する場合があり得るとなっていたのを妊娠を理由に・解雇・雇止め・契約更新回数の引き下げを行うことはアウトです。派遣スタッフとのトラブルが生じないように契約書の記載内容は確認しておきましょう。
派遣元会社・派遣先会社での派遣スタッフの妊娠・出産等の対応
さらに、平成28年8月2日に発せられた「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第47条の2及び第 47 条の3の規定の運用について (雇児発0802第2号)」に、いわゆるマタハラが起きないように派遣元会社が講ずべき措置についても例示が記載されています。必要な措置の具体的な例として、下記の記載がされています。
例示
① 派遣労働者から派遣先事業場において妊娠、出産等に関するハラスメントを受けた旨の相談又は苦情を受けた場合には、派遣先の事業主等に対して当該事案に関する事実関係の調査や再発防止のための措置等の適正な対処を申し入れる等派遣先事業場における担当部門と連携等をとりつつ円滑な対応を図ること。
②派遣労働者が妊娠等した場合において、派遣元事業主が、当該派遣労働者の労働能率の低下や休業を補い、派遣契約に定められた役務の提供ができるよう代替要員を追加して派遣すること。
③派遣労働者が妊娠等した場合において、当該者に対し、制度等の利用ができるという知識を持つことや、周囲と円滑なコミュニケーションを図りながら自身の体調等に応じて適切に業務を遂行していくという意識を持つこと等を周知・啓発すること。
派遣スタッフが妊娠した場合でも安心して育児休業を取れるような配慮を、派遣元会社は派遣先とも連携して行っていくことが必要になります。一般の会社であっても、同等の配慮義務はもちろんあるわけですが、普段スタッフの顔を見る機会が乏しく、スタッフの現況を把握することが難しい派遣会社ではなおさら気をつけてきたいところです。