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行政処分から見る派遣業務の留意点

投稿日: 2018-03-02 |
最終更新日: 2018-03-02 |

派遣事業者 特化記事です

派遣会社の違反事例

平成30年3月1日の報道発表資料により、大阪労働局による派遣会社への事業停止命令及び改善命令が行われたことがわかりました。今回の業務運営について、何が問題だったのか、考察したいと思います。

 

派遣禁止業務への労働者派遣を行っていた派遣元事業主に対する行政処分について

「受付及び駐車場管理」とする業務内容

この業務内容事態が派遣法で禁じられている「警備業」に該当するわけではありません。駐車場管理に付随する業務が「警備業に該当」したため、今回改善命令が出されたと思われます。

そもそも、どのような業務が、警備業に該当するのでしょうか?派遣法で禁じられている警備業法を見てみましょう。

警備業法(昭和47年法律第117号)第2条第1項各号に掲げる業務
一 事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地等(以下「警備業務対象施設」という。)における盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務
二 人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務
三 運搬中の現金、貴金属、美術品等に係る盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務
四 人の身体に対する危害の発生を、その身辺において警戒し、防止する業務
この条文を見る限り、駐車場管理から警備業は連想し難いです。
それでは、労働者派遣事業関係業務取扱要領を見てみましょう。

◆事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地等における盗難等の事故の発生を警戒し、防止する業務
「事故の発生を警戒し、防止する業務」とは、施設における異常の有無を確認し、不審者を発見したときに警察へ通報したり、倒れている負傷者を救出するなどの活動を行う業務をいう。

「事故」とは、施設における事業活動の正常な運行を妨げ、又は施設の正常な状態を損なうような出来事をいう。

「警戒し、防止する」とは、事故の発生につながるあらゆる情報を把握する目的を持って巡回、監視等の活動を行い、事故の発生につながる情報を把握した場合には、事故の発生を防止するために必要な措置を行い、又は事故が発生した場合には被害の拡大を防止するために必要な措置を行う一連の活動を意味するが、この一部分を行う業務であっても、「警戒し、防止する業務」に該当する。

◆人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷等の事故の発生を警戒し、防止する業務
祭礼、催し物等によって混雑する場所での雑踏整理、道路工事等現場周辺での人や車両の誘導等を行う業務をいう
 駐車場管理に付随して、つい行ってしまいがちなのが、「車両の誘導」です。駐車場へ出入りする車両が道路を通行する車両等や歩行者に迷惑を及ぼすことがないよう、その出入りを誘導する行為が、警備業法に定められている「交通誘導警備業務」に該当するのです。
駐車場管理業務に従事する派遣スタッフさんが見えましたら、車両の誘導を行わないよう、注意することが必要です。

なぜ警備業の派遣が禁じられているのか?

理由は、警備業は、「請負形態」により業務を処理することが、法律上定められているからです。労働者派遣を認めることにより、業務の適正実施に問題が生ずるため、禁じられているのです。

 

今回のように、業務内容と禁止業務が直接結びつかないことも多々あります。ですが、「知らなかった」では済まされません。派遣契約を締結するときは、禁止業務の具体的内容と従事させる業務内容をしっかり確認してから契約することをお勧め致します。

 

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