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労使協定方式に関するQ&A 第5集が公表 されました

投稿日: 2021-12-30 |
最終更新日: 2022-01-02 |

労使協定方式

令和3年 12 月 24 日公表。労使協定方式に関するQ&A【第5集】

労使協定方式の運用についての定期調査の立会い、そして令和4年度労使協定の準備の相談が増えています。その最中、厚生労働省HPに「労使協定方式に関するQ&A【第5集】」が公表されました。

A4で3ページのボリュームですが、読み取るのは意外と難しいと感じました。回答に対してより疑問が生じた点もあります。今回はQ&Aを紹介のうえ、所見を加えてお伝えしていきます。

 

問1-1

局長通達の適用日が4月1日からとなっている場合、以下の事例において、4月 25 日支払い(3月 16 日起算、4月 15 日締め)に係る賃金を有効期間が適用日の前日(3月 31 日)までの労使協定及び既に締結されている雇用契約に則った支払いは可能か。

賃金計算期間が 15 日締め、16 日起算、25 日支払い
○雇用契約期間が2月 16 日から4月 15 日
4月1日からの派遣労働者の賃金額が4月1日から適用される一般賃金額を下回っている
○新たな労使協定の有効期間は4月1日から

 

 

回答

局長通達の効力は適用開始日(令和4年度通達であれば令和4年4月1日)から適用されるため、上記のように賃金計算期間の途中に適用開始日があり、適用開始日以降、派遣労働者の賃金が一般賃金額を下回る状態になる場合は法違反となることから、適用開始日以降から新たな労使協定に従った賃金を支払う必要がある。

 

これは、回答のとおりでしょう。派遣会社側の賃金の計算期間(締め日)によらず、あくまで「4月1日以後」の時給は、新年度の一般賃金(業種ごとの統計賃金)を下回ることはできません。これは、例えば協定の有効期間が2年あるので2年間は賃金を変更しなくて良いという考え方にならないことと同じで、あくまで4月1日を基準に賃金改定が行われることは必須なわけです(結果としての賃金額総額の据え置きはありえます)。

 

 

問1-2

令和元年8月 19 日付け「労使協定方式に関するQ&A」の問1-8において、労使協定の有効期間中に一般賃金の額が変わった場合において、派遣労働者の賃金額が一般賃金の額と同等以上である場合には、派遣元事業主は同等以上の額であることを確認した旨の書面(以下、「確認書」という。)を労使協定に添付することとなっているが、一般賃金の額の変更に伴い、協定対象派遣労働者の賃金額を算出し直す必要がある場合においても、算出し直した賃金額が、一般賃金の額と同等以上であるときは、労使協定を締結し直すことなく、確認書による対応のみで問題無いか。

 

 

回答
協定対象派遣労働者の賃金額を算出し直すなど、労使協定における協定対象派遣労働者の賃金額を変更する場合には、労使協定を締結し直す必要がある。一般賃金の額が変更となった際に「同等以上の額であることを確認した旨の書面」を労使協定に添付する対応は、一般賃金の額が変更となった場合であって、協定対象派遣労働者の賃金額を変更することなく、一般賃金の額と同等以上の額であることが確認できる場合を想定している。よって、一般賃金の額の変更に伴い協定対象派遣労働者の賃金を変更する場合は、改めて労使協定を締結し直すことが必要であり、「同等以上の額であることを確認した旨の書面」を労使協定に添付するのみにより対応することは認められない。

 

労使協定の有効期間内の4月1日から、一般賃金の改定があった場合(または最低賃金の変更による改定)の取り扱いです。確認書のモデル例を示しておきます。

 

(令和3年12月24日までに実施の)実際の立会調査ではこの回答と異なり、一般賃金の水準を結果的にクリアしているのであれば同意書でも事足りていたというのが実務現場の扱いだったのですが、この回答が出されたことで、今後の調査では認められないことになります。

あまりないケースかと思いますが、基本時給以外に「調整給」と呼ばれる、基本となる評価で決定した時給が一般賃金を下回る場合に、それを補償給的な手当を付加することで一般賃金額以上の賃金を常に保証する派遣会社が該当します。派遣先ごとに派遣単価が違うので、それを時給単価にも連動させているようなケースも該当するでしょう。

基本時給+調整給≧一般賃金 を満たしているケースです。例えば基本時給が1,000円+調整給300円≧一般賃金1,200円となっているケースで、令和4年4月1日から一般賃金が1,300円になってしまったケースを考えましょう。

このときに基本時給を1,100円+調整給200円 のように総額を変えずに調整給を変動させることで、採用募集の賃金を上げつつ、全体額は変えない。このようなケースだと賃金全体額を変えずに、かつ一般賃金を下回らない水準を維持できているので確認書だけで事足りるのではないか?と考えられていたわけですが、今後は労使協定に定めている基本給・何かの手当の時給単価に改定があるなら確認書ではなく、労使協定そのものを改定することが求められます。今後、労働局の指導が増える論点だと思われます。

 

問2-1

「職種別の賃金×地域指数が最低賃金額を下回っている場合、地域別最低賃金額を「基準値(0 年)」とした上で、当該額に能力・経験調整指数を乗じたものと同等以上としなければならない」とされているが、当該額に能力・経験調整指数を乗じた金額に 1 円未満の端数が生じた場合、端数は四捨五入でよいか。

 

 

回答

協定対象派遣労働者の基本給・賞与等について、一般基本給・賞与等と同等以上であることが必要であるため、一般基本給・賞与等を算出した結果、1円未満の端数が生じた場合には、当該端数を切り上げることとする。

 

一般賃金= 職種ごとの賃金×地域指数 で求めますが、地域指数に小数点未満があれば、計算結果が1250円80銭となることは理論上はありえます。

厚生労働省が公表している「一般労働者と派遣労働者の賃金比較ツール」の最新版を使っていれば起きない問題ではありますが、自社でツールを独自に作っているようなケースだと、円未満を切り捨てて計算していることも多々見受けられます。これも今後の調査では指摘されやすく、かつ実際に賃金として追加払いを要求される事例も出てくるでしょう。

ただ、一般賃金を下回ってはいけないというルールがそもそもですので、前述のように計算結果が1250円80銭であれば、1円単位でしか払えないので、1251円に切り上げするしか方法はありません。故に円未満端数の切り捨てという概念は起きないわけです。

問2-2

賃金構造基本統計調査において、令和3年度では基準値が表記されていた職種のうち、令和4年度においては「サンプルサイズに満たない」として基準値が表記されていないものが複数あるが、この場合、次回の労使協定でどの賃金水準を参考にすればよいか。

 

 

回答

基本的には、職業安定業務統計において対応する職種を使用していただくことになる。同様に、安定業務統計において基準値が表記されていない職種については、賃金構造基本統計調査において対応する職種を使用していただくことになる。

なお、職業安定業務統計の大・中分類を協定対象派遣労働者が従事する業務と最も近いと判断し、使用することも差し支えないが、一方で、単に賃金水準を引き下げることを目的に、職業安定業務統計の大・中分類を使用することは労使協定方式の趣旨に照らして適切ではなく、認められないことに留意すること。

 

今回、令和4年度適用の労使協定作成の更新手続きの依頼を受けるなかで、このケースが見受けられます。結論としては、職業安定業務統計の上位区分を使うか、賃金構造基本統計調査を代用するかの選択になるわけですが、これを理由として賃金額を引き下げることは適切でないと釘は挿されているわけです。このあたりの、制度が国の方針で変わったことを理由に賃金を引き下げることは避けてほしい(国のせいではない)という姿勢は一貫していると感じます。もちろん引き下げ目的ではなく、結果的に引き下げとなることはやむを得ないと考えられます。

 

局長通達の水準以上の退職金が必要?(退職手当制度の派遣会社)

 

問3-1

65 歳を定年退職の年齢としており、退職金は当該定年退職時点で支給するが、その退職金の額は 60 歳時点で定める仕組みの退職金制度となっている。労使協定により、派遣労働者にもこの退職金制度を適用し、局長通達第3の3(1)「退職手当制度で比較する場合」を選択する場合、60 歳から 65 歳までの期間においても一般退職金と同等以上と考えてよいか。

 

 

回答

当該事業所が局長通達第3の3(1)「退職手当制度で比較する場合」を選択する場合、退職金の額を定める時期にかかわらず、65 歳時(退職時)において、その退職時までの勤続年数や退職理由に応じた一般退職金と同等以上の水準で支払われることが労使協定に明確に定められている必要がある。

また、65 歳時(退職時)までの勤続年数や退職理由に応じた一般退職金と同等以上の水準とならない場合には、局長通達第3の3(1)「退職手当制度で比較する場合」の要件を満たさないため、局長通達第3の3(2)「一般の労働者の退職金に相当する額と「同等以上」を確保する場合」、局長通達第3の3(3)「中小企業退職金共済制度等に加入する場合」、又はその併用により、一般退職金と同等以上の額を確保することが必要であるので留意されたい。

いずれにしても、どのように一般退職金と同等以上の水準を確保するかの選択については、労使で十分に議論した上で判断いただくことが望まれる

 

これは今回のQ&Aで、唯一しっくりこなかった論点です。退職手当制度(一時金)を導入している派遣会社が該当します。退職金前払制度(6%以上オン)の会社では関係はありません。

現実には34.7%の派遣会社が、この退職手当制度を導入しているというサンプル統計があります。派遣先に6%の単価交渉が受け入れられなかった会社がやむを得ず、この退職手当制度を導入しているという面も正直あります。労使協定方式の適用が令和2年4月1日以後ですので、この退職手当制度の影響が実際にでてくるのは令和5年4月1日以後とこの記事投稿時から約1年の期間を経ての運用となります。退職金の支給対象者を労使協定制度導入時より勤続3年以上とする派遣会社が多いためです。

 

この3年以上というのは、退職手当制度(局長通達別添4)に拠ります。退職手当制度(繰り返しますが一時金)の導入をする場合、この厚生労働省が公開している局長通達の統計を利用して制度を作るルールになっているためです。一般企業で自己都合退職で退職金を支給する場合は、3年以上の勤続年数を要件としている会社が多いので、派遣会社の退職手当制度においても令和2年4月1日以後の勤続3年を基準にしている会社が多いわけです。

 

今回のQ&Aでは、65歳を定年としつつ、退職金の額は60歳時点の勤続年数で決めることが問題ないかという問いに対して、回答はあくまで退職時の勤続年数をベースに検討すべきだと釘をさしています。下記の局長通達で採用されている統計を見ると大卒(22歳で入社)の定年は60歳以内で一般企業の退職金が設定されているように考えられます。現行では60歳定年、以後は退職金を60歳時点の勤続年数をベースの計算して支給した上で、65歳まで継続雇用を希望する者は雇用するという制度が大半だと思われます。

 

つまり、60歳時点の勤続年数で退職金を支給していることは世の通例なわけですが、それを上回る水準を派遣会社に暗に要請しているように考えられます。統計を下回らない水準ではなく、統計を超える水準を要求しているかに感じる方もいるのではないかと思われます。現実には有期雇用をベースとしている派遣会社ではそこまでの勤続年数に達しないので結果的に問題となることは限られているでしょうが、労使協定制度の趣旨(一般企業の統計水準をベースに賃金を設定し、均等・均衡待遇を図る)からズレている感はあります。

 

 

問4-1

法第30条の4第1項第3号において、派遣労働者の賃金を決定するにあたっては、職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を公正に評価することとなっているが、それは全ての賃金の決定が対象となるのか

 

 

回答

法第30条の4第1項第3号については、派遣労働者の職務の内容、職務の成果、能力、経験等の向上を公正に評価しその結果を勘案した賃金を決定することを内容としている要件であり、第2号イ及びロに掲げる賃金の決定方法において必要となるものである。

したがって、一般的に職務の内容、職務の成果、能力、経験等に応じて支給されると考えられる職務の内容に密接に関連して支払われるものについては、同号の対象となるため、仮に、一部についてのみ「公正に評価し、賃金を決定する」旨の規定しかない場合は、認められないものであることに留意すること。

なお、職務の内容に密接に関連して支払われるものの評価のうち、例えば、資格手当といった一定の要件の下で必ず支払われることとして就業規則や賃金規程等に明確に定められ、かつ、不合理と認められる相違が生じていないものについては、当該規則等に基づき、適切に支払われることとされていれば足りるものと考えられる。

一方で、例えば通勤手当といった職務の内容、職務の成果、能力、経験等の向上に応じて決定することになじまない職務の内容に密接に関連して支払われるもの以外において、不合理と認められる相違が生じていないものについては、第3号の「公正な評価」まで求めるものではないと考えられる。

 

一読して、そのとおりだろうという所見となりますが、資格手当・通勤手当以外の給与は「公正な評価を得て決める」ということになります。他にも役割的な手当(リーダー職など指導的な業務があれば固定手当をつける)も該当するでしょう。

何をもって公正な評価とするかまでの踏み込んだ回答ではなく、評価そのものは派遣会社に委ねているというスタンスは変わりませんが、評価が上がれば賃金は上がるものだという、賃金アップの可能性を制度上に残してほしいという厚生労働省の意向は伺えますし、公正な評価ありきでの労使協定制度だというスタンスは崩していません。

単に一般賃金を下回らない水準で払っていれば何でも良いというわけではない、ということは忘れないようにしたいところです。評価がされてないのであれば、労使協定方式ではなく、派遣先均等・均衡方式への強制変更が原則ルールだということは憶えておきましょう。

 

 

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