代表取締役が兼務できるパターン(派遣元責任者 職務代行者 キャリアコンサルティングの担当者)
派遣元会社には、選任しないといけない3人の職務担当があります。
先ずは、①派遣元責任者。そして②職務代行者 ③キャリアコンサルティングの窓口担当者となります。この3つの職務担当者がいないと、派遣元会社の許可を得ることができません。(もちろん、許可申請書にも記載する欄があります)
そして①②については、常勤社員である必要があります。常勤であることから、当然に社会保険の加入も必須となります。
代表取締役が兼務できるパターンをチェック
①②③それぞれを担当してくれる社内体制が整っていれば問題はないのですが、規模が小さい派遣元会社の場合、どうしても兼務せざるを得ないことがあります。代表取締役がいくつかを兼務することが必要なケースもあるでしょう。そのときに兼務できるパターンは次のとおりです。
兼務の適否 | OK ○ | OK ○ | OUT × |
派遣元責任者 | 代表取締役 | 他の常勤社員・役員(A) | 他の常勤社員・役員(A) |
職務代行者 | 他の常勤社員・役員 | 他の常勤社員・役員(B) | 代表取締役 |
キャリアコンサルティングの担当者 | 代表取締役 | 代表取締役 | 他の常勤社員・役員(A) |
AとBは、違う人だという理解でお願いします。上図のとおり、代表取締役が職務代行者を兼ねることはできません。なお、キャリアコンサルティングの担当者は、常勤社員・役員でなくともOKです。
結論からいえば、代表取締役は職務代行者にはなれません。職務代行者は、派遣元責任者が不在の際の担当者ですが、イメージとしては派遣元責任者の下位の位置付けられる人です。派遣元責任者がいないときに動く人だからです。そして、派遣元会社の組織図として、下記の階層を守る必要があります。
つまり、代表取締役は常に上位であるのに対し、職務代行者は派遣元責任者の次に位置付けられます。代表取締役が職務代行者になると、もっとも上位であるはずの代表取締役が下位に位置づけられることになってしまい、矛盾が生じます。そのため代表取締役は職務代行者になれないわけです。
ちなみに、職務代行者は、(旧)特定労働者派遣事業者は、一般労働者派遣業に移行するまでの間は選任しなくともOKです。