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労使協定方式では、労働条件通知書に賃金内訳を表示するのか?

投稿日: 2019-12-18 |
最終更新日: 2019-12-21 |

派遣法改正

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ザイムパートナーズは、派遣業に特化した社会保険労務士・税理士事務所です。


労使協定方式の対象派遣スタッフに、新たに通知することが必須のこと

 

労使協定方式で派遣スタッフの賃金を決定する場合、派遣スタッフに書面で通知しておくことがいくつかあります。これが何かを知っておくことで派遣元会社での実務の理解が進みます。

 

改正派遣法31条の2第2項では、派遣スタッフの待遇に関する情報で明示すべきことを記しています。明示すべきポイントは下線部分です。

 

(待遇に関する事項等の説明)
派遣法第三十一条の二 派遣元事業主は、派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込みその他の当該労働者の待遇に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項を説明しなければならない。
2 派遣元事業主は、労働者を派遣労働者として雇い入れようとするときは、あらかじめ、当該労働者に対し、文書の交付その他厚生労働省令で定める方法(次項において「文書の交付等」という。)により、第一号に掲げる事項を明示するとともに、厚生労働省令で定めるところにより、第二号に掲げる措置の内容を説明しなければならない。
一 労働条件に関する事項のうち、労働基準法第十五条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものであつて厚生労働省令で定めるもの
二 三十条の三第三十条の四第一項及び第三十条の五の規定により措置を講ずべきこととされている事項(労働基準法第十五条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項及び前号に掲げる事項を除く。)に関し講ずることとしている措置の内容

 

労働基準法15条1項に規定することは不要と読めますが、労働基準法で担保されているから派遣法としては求めていないということになります。労働基準法15条は、労働条件の明示を規定しています。賃金や労働時間を示せということで、ここは改正前と変わりがあるとことではないです。

通常は労働条件通知書を書面で渡す(スタッフの同意があれば、メール添付やLINE通知などでも代替可)ことで、基準法15条の義務を果たすことになります。ここは派遣スタッフであろうがなかろうが同じ扱いです。派遣スタッフだからといって特別な追加項目は求められていません。なお、改正派遣法の第三十条の三および第三十条の五の規定は、派遣先均等・均衡方式を採用している場合の規定のため、労使協定方式のみを採用する派遣会社では考える必要はありません。

結論としては、待遇に関しては労働基準法15条と改正派遣法第30条の4第1項に定められていることを明文化・説明すれば足り、これらを実際に文書化しているのが、「労使協定」と、労働局HPにも掲載されている「待遇情報明示書」です。待遇情報明示書は、次の2点が特徴です。

 

①協定対象派遣労働者であることの明示
②協定対象派遣労働者である場合は、労使協定の有効期間を記載

 

なお、改正事項ではありませんが、雇用前(派遣スタッフへの登録検討時)に、待遇に関する事項等の説明も書面で渡しておきましょう。労働局の調査時にも指摘を受ける論点でもあります。

 

一般賃金等の内訳を、実際の時給として表示することは求められていない

繰り返しますが、労働基準法15条で示すべき内容は、改正派遣法の施行後も特に変更はありません。労使協定方式では、局長通知(基本給等・賞与・退職金)を上回る時給が担保されているかの検証は必須ですが、その内訳を派遣スタッフに個別に表示することまでは求められていません。労使協定に記載・周知していれば事足ります。ただ、派遣会社によってはナーバスに考えすぎているケースも見受けられます。

 

特に退職金(一般賃金の6%相当額)を時給に含める方式を採用するケースで、現在の時給水準を据え置く場合(既に時給水準が高く、改正派遣法施行後も結果的に時給アップする必要がない場合)、現在の時給は退職金分だけ実質ダウンすることになると考え、不利益変更に該当してしまうのではないかと懸念されている方もいるようですが、杞憂です。

現在の時給を変更しなくとも、派遣法を遵守していることを派遣スタッフにも切実に分かってほしいという思いがあるからだと思います。

例えば、現在の時給が1400円として、基本時給を1200円、賞与部分として120円と設定し、これが局長通知の統計賃金を上回っていることは確認できている(通勤手当は実費相当額を別途支給)。そのうえで、この合計額の6%の退職金80円とし、総合計1,400円とした場合ですが、この内訳を個々の労働条件通知書に記載する必要はありません。2020年4月1日以後分の労働者派遣事業関係業務取扱要領に記載されている労働条件通知書(438ページ)の書式も、2019年版と賃金・退職金に関する記載事項にも当然、変化はありません。

また、この退職金を時給に含める方式を採用する場合は、基準法15条を満たす労働条件通知書に記載する退職金の有無は、「無し」と書くことになります。名目は何であれ、労働基準法的には単なる時給であり、途中で退職したからといって返金や減額がある性質のものではないからです。また、退職後に支給する退職一時金制度を設けるわけでもないからです。賞与についても「無し」となります。

 

もちろん、「無し」としたうえで、その他備考として、時給1400円のうち、120円は労使協定に定める賞与相当額、80円は労使協定に定める退職金相当額であると記載することは問題ありません。いずれにしても1400円全額が割増賃金の対象となり、労働基準法上は単なる「時給」の扱いなのだという認識です。時給が下がらない以上、不利益変更となることはありません。

派遣法と労働基準法の取り扱いが混在して困っているとの相談をいただくことがありますが、焦らず冷静に条文と向き合うことも重要です。

 

 

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