新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う 労働市場への影響等を踏まえた取扱いに関する提出様式が公表されています
令和2年12月25日厚生労働省HPにて、 「労使協定方式における現下の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う労働市場への影響等を踏まえた取扱い」に関する提出様式が掲載されました。
これは、同年10月21日に公表された「労使協定に関するQ&A 第3集」の問1-7に対応したものになります。
令和3年度通達の第1の5に「④の要件における都道府県労働局への提出方法については、別途通知する」とあるが、具体的にいつ示されるのか。
本年末に公表することを予定している。
労使協定方式を採用する派遣会社が、令和3年度(令和3年4月1日以後)においても、令和2年度適用の賃金水準に据え置く場合に、令和3年6月末までにすべての派遣会社が労働局に提出する、事業報告書に添付する書類となります。この提出様式に、下記を記載することになります。令和3年度通達第1の5より抜粋しました。
B.一般賃金の額(令和2年度)が適用される協定対象派遣労働者数等
C.事業活動を示す指標の根拠書類
このうち、AとBについては今回の提出様式に記載することになります。提出様式は実際にダウンロードすると11ページありますが、令和3年6月に提出する部分としては前半の5ページ(第5面まで)であり、以後は令和4年度においても据え置く場合の提出書類となります。そのため6ページ以後は空欄で提出ということになります。
C.事業活動を示す指標の根拠書類については、今回の提出様式には何も記載がありません。Cについては労使協定書内に記載および添付書類として、事業報告書の提出時に開示が求められるため、提出様式への記載は不要という判断なのでしょう。
なお、据え置かない場合は無視してOKな書類にも見えますが、据え置かない場合でも第4面までの提出は必須だと思われます。理由は、次の第4面の①に例外的取り扱いの有無を記載する欄があるためです。そのため、令和3年度の一般賃金を適用する場合であっても、①に「無」の記載が求められます。記載上ポイントとなるのは、この第4面のみと考えて良いでしょう。
据え置く派遣スタッフが仮に1名だけであっても、そのスタッフが従事する職種・派遣地域が同一である協定対象労働者の②全体人数を記載し、さらに③無期契約、④有期契約のスタッフに区分して記載します。このあたりは通常の事業報告書のフォーマットに沿っています。派遣スタッフ間の同一労働・同一賃金という視点もあるのかと推測しています。
つまり、雇用形態が違うだけで業務内容・責任が同程度の場合の格差が生じてないかの判断材料とするわけです。例えば有期雇用スタッフにのみ令和2年度一般賃金を適用し、正社員スタッフは令和3年度の賃金を適用しているという格差が起きてないかという判断ができます。こういった点については令和3年度以後の労働局の調査での指摘事項に入ってくるのかもしれません。コロナ禍ではありますが、同一労働・同一賃金の法令そのものは何も変更はないことは忘れないようにしたいところです。