事務担当者のマイナンバー教育
マイナンバーを実際に取り扱うのは、会社の総務・経理部門の事務担当者です。
また、個人情報漏えい事故のうち、従業員による漏えいが68.9%※と高い割合であることも事実です。
※消費者庁「平成25年度個人情報の保護に関する法律施行状況の概要」より抜粋
中小企業(従業員数100人以下)においては安全管理措置について緩和措置が設けられていますが、マイナンバー漏えいによる罰則規定は等しく適用されます。さらに、情報漏えいによる信用損失、取引停止、損害賠償などの社会的制裁を受けることもあります。この際に、マイナンバー対策のみでなく、機密情報を含めた社内規程の整備をしておきましょう。
◆マイナンバー利用開始までに必要な準備
【1】マイナンバーを適正に扱うための社内規程づくり
(基本方針、取扱規程の策定、就業規則に「利用目的」「秘密保持」「教育・研修」「引継ぎ」「罰則」を規定)
従業員からマイナンバーを取得する際に、源泉徴収や労働・社会保険の手続きなど、マイナンバーを利用する事務・利用目的を包括的に明示して取得し、利用することは差し支えないとされているため、就業規則等にしっかり規定しておくことをおススメ致します。
また、マイナンバーを取扱う事務担当者には秘密保持に関する誓約書を提出してもらい、責任を自覚させることも大切です。
【2】マイナンバーに対応したシステム開発や改修
(人事、給料、会計システム等への対応)
【3】特定個人情報の安全管理措置の検討
(組織体制、担当者の監督、区域管理、漏えい防止、アクセス制御など)
【4】社内研修・教育の実施
(特に総務・経理部門などマイナンバーを取扱う事務を行う担当者への周知徹底)
「個人情報保護士」や「個人情報管理士(東京のみ)」等の認定試験を活用することも一案です。
【5】住民票記載の住所地と居所が異なる社員への連絡
マイナンバーは、27年10月以降に「簡易書留」で住民票記載の住所地に「通知カード」が届きます。日中不在で受け取れない場合や、住民票の住所と居所が一致していない場合は、住民票のある市区町村役場の窓口に差し戻されてしまいます。効率よくマイナンバーを収集するために、今のうちから従業員に案内しておきましょう。
事務担当者に下記のルールを徹底させましょう。
★マイナンバー4箇条を徹底しましょう!
①取得・利用・提供のルール
・個人番号の取得・利用・提供は、法令で決められた場合だけ
・これ以外では、「取れない」「使えない」「渡せない」②保管・廃棄のルール
・必要がある場合だけ保管
・必要が無くなったら廃棄または削除(例:社会保険関連の書類は「2年」、税関連の書類は「7年」)※法定保存期間を超えて保存する場合は、マイナンバーをマスキング。
マイナンバーは復元できない程度にマスキングまたは削除しなければいけません。③委託のルール
・委託先を「しっかり監督」
・再委託は「許諾が必要」④安全管理措置のルール
・漏えいなどを起こさないためにルールを守りましょう。
マイナンバーを適正に取扱うためには、事務担当者の理解・協力が不可欠です。就業規則や取扱規程など社内規程の周知・徹底&定期的な社内教育・研修で、情報漏えいリスクから会社を守りましょう。