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役員の常勤性(2つ以上の会社で代表取締役を兼務するヒトの社会保険)

投稿日: 2015-10-20 |
最終更新日: 2015-11-01 |

気になる社会保険・雇用保険

2つ以上の会社から役員報酬をもらう代表取締役

グループ会社を何社か経営するオーナー経営者であったり、子会社の統括を任せられている、いわゆる雇われ社長のケースなど、複数の会社で代表取締役を兼務しているケースというのは珍しくはありません。このような2つ以上の会社を兼務している場合の社会保険加入については、下記の扱いを原則としています。

 

ストレートな表現で言えば、報酬(給与)をもらっていた場合は社会保険の被保険者として扱いなさいということになります。いわゆる二以上事業所勤務届を提出し、2つの会社からもらう月給を合算した額で、社会保険料を負担することになります。

○法人の代表者又は業務執行者の被保険者資格について
(昭和二四年七月二八日保発第七四号)
(各都道府県知事・各健康保険組合理事長あて厚生省保険局長通知)
法人の理事、監事、取締役、代表社員及び無限責任社員等法人の代表者又は業務執行者であつて、他面その法人の業務の一部を担任している者は、その限度において使用関係にある者として、健康保険及び厚生年金保険の被保険者として取扱つて来たのであるが、今後これら法人の代表者又は業務執行者であつても、法人から、労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者の資格を取得させるよう致されたい。なお、法人に非ざる社団又は組合の総裁、会長及び組合及び組合長等その団体の理事者の地位にある者、又は地方公共団体の業務執行者についても同様な取扱と致されたい。

とても古い通達ですので、最近では、この具体的な判断について日本年金機構より以下の通知がなされています。ネット上にアップされているものをテキスト抽出したもので恐縮ですが、特に著作権上の問題はないと判断してアップしておきます。

 

引用が多くて、申し訳ないのですが、正確な情報の元に、実務的な見解を述べたいという私の考え方があるのでお付き合いをお願いします。

法人役員の被保険者資格及び受託事業所調査について

平成26年1月8日 静岡県社会保険労務士会長様
日本年金機構静岡年金事務所長
日本年金機構中部ブロック本部
静岡事務センター長

法人役員の被保険者資格及び受託事業所調査について(※受託事業所調査は、今回のテーマと関係ないので割愛しています
平素より日本年金機構が行う業務について、ご理解、ご協力いただきまして厚く御礼申し上げます。

さて、標記の件につきまして、下記に掲げる事項につきご理解いただき、適用調査業務の円滑な事務処理にご協力いただきますよう、宜しくお願い申し上げます。


1法人役員の被保険者資格に係る事項
法人役員の被保険者資格については、下記通知(上記の、昭和二四年七月二八日保発第七四号のことです)及び判断材料が示されており、今後はこの取扱いにより各年金事務所とも被保険者資格の判断をすることとなりますのでご協力をお願いします。なお、この資格の取扱いにつきましてはさまざまなケースが予想されます。判断が困難な場合は、その都度各年金事務所へお問合せいただきますよう宜しくお願いします。(参考資料として、日本年金機構ホームページにて公表済みの疑義照会回答を添付します)。

【日本年金機構本部から示された判断材料】
労務の対償として報酬を受けている法人の代表者又は役員かどうかについては、その業務が実態において法人の経営に対する参画を内容とする経常的な労務の提供であり、かつその報酬が当該業務の対価として当該法人より経常的に支払を受けるものであるかを基準として判断されたい

★判断の材料例
1.当該法人の事業所に定期的に出勤しているかどうか。
2.当該法人における職以外に多くの職を兼ねていないかどうか。
3.当該法人の役員会等に出席しているかどうか。
4.当該法人の役員への連絡調整又は職員に対する指揮監督に従事しているかどうか。
5.当該法人において求めに応じて意見を述べる立場にとどまっていないかどうか。
6,当該法人等より支払いを受ける報酬が、社会通念上労務の内容に相応したものであって実費弁償程度の水準にとどまっていないかどうか。

なお、上記項目は、あくまで例として示すものであり、それぞれの事案ごとに実態を踏まえ判断されたい。

判断材料例として、6つの判断材料が示されています。(総論的で具体性が乏しいので、余計に判断に迷うのでは?という気もしますね)さらにこれをフォローする疑義照会回答もなされています。少し踏み込んだ内容になっていますね。→は、当方の考え方となります。

疑義照会回答(厚生年金保険適用)  法人の代表者の被保険者資格について


 

Q1.代表者は仮に不定期な出勤であっても(どこにいても)、役員への連絡や職員への指軍命令はできると思われますが、定期的な出勤がひとつの条件でしょうか?

A1.事業所ごとに定期的に出勤している場合は、「法人の経営に対する参画を内容とする経常的な労務の提供であり、かつ、その報酬が当該業務の対価として当該法人より経常的に支払いを受けるものである」との判断の要素にはなりますが、本来法人の代表者としての職務は事業所に出勤したうえでの労務の提供に限定されるものではないことから、定期的な出勤がないことだけをもって被保険者資格がないという判断にならないと考えます。定期的な出勤は、経常的な労務の提供を判断する一つの要素であり、定期的な出勤がないことだけをもって、被保険者資格がないとするものではありません。

→ 非常に明快な回答であり、時間管理をしない(できない)代表者について、非常勤性を訴えることはできないと判断できます。パソコン一つあれば海外からでも指示できる時代ですので、管理・判断を主業務とする経営者には事業所への出社の概念は必須ではないということになります。別の事業所で被保険者となっている代表者については、別の事業所で月給が生じているのであれば、二以上事業所勤務届の対象となると考えて良いでしょう。


Q2.役員が経営状況に応じて帳酬を下げる例は多くあり、役艮報醍は最低賃金法に当てはまらないため.中には「数円」というところもあります。労務の対価として経 的に受ける報酬が「月に数円」の場含,社会保険への加入はできないのでしようか?報酬が社会通愈上労務の内容に相応しい金額(社会保険へ加入できる最低額)とは具体的にいくらでしょうか?

A2.これについては、昭和24年7月28日保秀第74号通知で「役員であっても、法人から労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として披保険者とする」とされていますが、一方、「役員については、ご紹介の事例のように経営状況に応じて、給料を下げる例は多く、このような場合は今後支払われる見込みがあリ、一時的であると考えられるため、低報酬金額をもって資格喪失させることは妥当でない」ことから、総合的な判断が必要であり、最低金額を設定し、その金額を下回る場合は、被保険者資格がないとするのは妥当ではありません。

また、疑義照会回答については.一般曲な例を示しているものであり、社金通念上、ご照会の事例のように業務の内容に対して、1円の報酬しかないなど内容に相応しいものかどうか疑わしい場合は、報酬決定に至った経過、その他「常用的使用閲係」と判断できる働き方(多くの職を兼ねていないかどうか、業務の内容等〕であるかなどを調査し、判断してください。

→この質問は、社会保険に入りたいのに、月給が低いことから常勤性を疑われるケースへの回答です。実務の現場では、過去に指摘を受けたこともありますが、他の会社での勤務がないことから数万円の報酬でも加入を認められているケースは取り扱ったことはあります。その会社に専念できることが示せれば、月給額が低いからと言って社会保険加入できないわけではないことを明言しています。分かりやすいですね。


 

Q3.「実費弁償程度の水準にとどまっていないか」とありますが、実費弁償程度として対象になるのは主に通勤費(手当)のことでしょうか。通勤手当をもって役員報酬としている場合、「通勤手当は報酬に含め、実費弁償的なものと異なり、報酬に含める」と解釈されていますが(上記Q2と同様)、社会保険の加入対象とならないでそうか?また、加入できるとして通勤手当(役員報酬)の額が変更となった場合は、固定給の変動には当たらないのでしょうか?

A3.実費弁償程度の水準については、主に会議に出席するための旅費・業務を遂行するために必要となった経費について、一旦(役員が)立替払いし、これに対して、事業所が弁償等のみのために支払する費用をもって報酬としている場合を想定しているものであり、もともと報酬ではないので、「法人の経営に対する参画を内容とする労務の対属」には、該当しないと考えます。ただし、この弁償等行う金額を超え、定期的に支払われているような場台は、報酬と見るべきと考えます。
以上のことから.疑義照会回答の判断の材料例は、一例であり、優先順位づけはなく、複数の判断材料により、あくまでも実態に基づき総合的に判断してください。なお.疑義が生じた場合は.実態をを聞き取ったうえで、異体的事例に甚づき照会してください。ご照会の事例においては.「常用的 使用聞係」と判断できる働き方であれば.被保険者資格を認めて差し支えありません。

→通勤手当ではなく、都度出社するごとに精算する方法など、常勤性のない通勤実費精算であれば、報酬とは考えないという扱いです。定期券を買うようなケースだと常勤性を喚起させるとも言えます。あくまで給与のような固定報酬で払うのではなく、実費どおりの精算であれば報酬としないという判断ですので、いわゆる使途を問わない月ぎめ報酬は、この実費には該当しないと考えるべきです。


 

以前は、ある会社で社会保険に入っていれば、別の会社では加入は不要という思い込みも散見されましたが、現在では年金事務所のスタンスも上記のようになっておりますし、2か所勤務者についての指摘もいただくことは増えていると感じております。グループ会社を経営されている方は、一度ご自身の社会保険加入状況を確認した方が良いかもしれません。

もっとも、一つの会社で報酬月額の上限(月給で117万5千円以上目安)を超えている場合は、届け出を出してなくとも実影響はない(追加保険料が生じないため)ですし、グループ会社を経営される方は、その水準の報酬を取っていることが通例とも思われます。

 

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