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採用内定者に対する採用拒否(派遣会社向け)

投稿日: 2015-08-25 |
最終更新日: 2015-09-13 |

派遣事業者 特化記事です

派遣会社の労務・助成金

採用内定には、2つの解釈がある?

内定が労働契約の成立を意味しているのか、それとも単なる労働契約の予約なのか?一口に内定と言っても、当事者の意図がどちらなのか?という論点があります。労働契約が成立していると解釈すれば、その契約を解消すること イコール 解雇ですから、労働基準法20条の適用を受け、30日前の予告通知または解雇予告手当(30日分以上の平均賃金)の負担を会社は追うことになります。これに対して、単なる予約とみなされれば、労働契約は成立していないことになるので解雇という問題は生じないことになります。

労働基準法 第20条(解雇の予告)

使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。

ちなみに「昭27.5.27 基監発15号」には、「具体的な個々の事情、特に採用通知の文言、当該会社の労働契約、就業規則等の採用手続きに関する定め及び従来の取り扱い慣例による採用通知の意味等について総合的に判断して決定すべきもの」とされています。例によって曖昧な表現ではあります(苦笑)が、多くの判例では、内定の通知後、入社誓約書まで提出している場合は、企業と労働者との間に、「始期付解約券留保労働契約」が成立していると解されています。この場合、内定取消は解雇に準じた適用を受けることになります。多くの内定手続きにおいては、採用決定通知書とそれに伴う内定者からの誓約書などの書面が存在すると思いますので、労働契約は成立していることになります。もちろん、内定通知だけでは、企業側からの一方的な申し入れに過ぎないので、内定者から誓約書等の「承諾の意思表示」がない限りは契約は成立したとはいえません。

派遣会社での内定通知で気を付けるポイント

一般派遣業の会社においては、派遣先会社がスタッフを受け入れるかどうかというポイントがあります。つまり、仕事がないのに雇用するわけにはいかないので、派遣先会社が受け入れるのであれば採用(そうでなければ採用はしない)という説明をせずに、安易に雇用契約を結ぶことは危険です。雇用契約を一度結んでしまえば、いかなる理由があろうと、労働契約の解消は解雇の扱いになります。

つまり、内定を通知し、本人が採用を承諾した後では、派遣先会社が派遣元会社への業務依頼をストップ(又は締結しなかった)としても、ノーコストで雇用契約を解消することはできないわけです。これについての判例として、大阪地方裁判所 平成14年(ワ)3273号、10066号があります。

ポイントをまとめますと・・・

①派遣会社(被告)が内定者(原告) に選考結果通知書を交付。

②その後、原告は研修を受け、就労に必要な物品の交付を内定者は受けた。

③その後(②の4日後)に、派遣先会社(となる予定だった会社)は、派遣会社への業務依頼をしない決定をした。

→これは、派遣先会社が要求する人数を派遣会社が確保できなかったためです。これにより、原告たる内定者への仕事がなくなりました。

④その後、派遣会社は原告のために、仕事を探したが適した仕事はなく、お詫びとして3万2千円を原告に渡した。

⑤その後、これを不服とした原告が訴訟を起こした。その結果、派遣会社は20万円の慰謝料を払うこととなった。

 

この判例では、「労働者派遣会社が、業務委託契約の不成立により派遣先での就労が不能となる可能性を原告に告知し、本件労働契約の締結に応ずるか否かの選択をする機会を与えるべき義務を怠った」としています。また、本件では原告は、入社についての誓約・承諾書を被告に提出していなかったのですが、判決では、提出しなかったからといって労働契約の締結をためらったものではないと判断しています。つまり、会社が内定通知を出してしまうと、何らかの制約を喚起させる文言がない限りは、承諾があったものとみなされる恐れがあります(事実として研修に参加しているということもありますが)。

派遣会社は、安易に内定通知や労働条件通知書を交付するのではなく、「業務委託契約の不成立により派遣先での就労が不能となった場合は、本通知は無効とする」とか「貴殿からの入社承認を確認できる書面の提出が確認できない限り、本通知は成立しない」などの、一文を挿入しておくのが望ましいでしょう。

また、口頭で説明する場合でも、一言上記の内容を伝えておくことを忘れないようにしたいところです。求人難の昨今、ヒトの確保を急ぎたい気持ちは分かりますが念には念を入れて、採用したいところですね。

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