有料職業紹介業の、令和3年4月1日からの重要改正
転職祝い金の禁止
令和3年1月29日 に公開されている、第315回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 資料 に有料職業紹介事業の運営上、インパクトのある改正が記されています。正確にいえば、改正というよりは「解釈に迷わないように明記した」という表現が正しいでしょう。
結論としては、いわゆる就職祝い金を有料職業紹介事業者が、求職者に支払うことは、完全なNG行為とされました。下記の記載となっています。
有料職業紹介業の指針は、正確には「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示、労働者の募集を行う者等の責務、労働者供給事業者の責務等に関して適切に対処するための指針」というものです。
令和2年厚生労働省告示第160号が、この記事投稿時の最新の指針になりますが、令和3年4月1日より、上記赤枠の取り扱いとなります。広告などの文言にも注意が必要となります。就職したらお祝い金●万円支給・・・といったキャッチコピーは使えなくなるわけです。
指針は、職業安定法の一部、指針の改正は法律改正と同義。
有料職業紹介業の具体的な運用は、職業安定法48条にて指針を公表するとされています。普段は条文そのものを読まない方も多いと思いますが、指針そのものの法的な位置付けはあるわけです。
さて、現在の指針では、適切な宣伝広告等に関する事項として、次の記載があります。
この「好ましくないこと」という牽制的な表現を一歩進めて、金銭等を提供することにより求職の申込みの勧奨を「行ってはならない」こととする。 に改正されます。明確にやってはいけないということになります。
もちろん、一切の金銭提供がダメということではなく、社会通念上相当と認められる程度を超えた場合が問題ということになるので、例えば面談に来た求職者に交通費実費程度を支給したり、実費に代えて少額のクオカード等を渡す程度は問題ないと考えて良いでしょう。
需給調整部としては、お祝い金等の広告により、転職を煽る(勧奨する)行為が、目に余る(労働市場における需給調整機能を歪めている)と破断し、今回の指針改正となったわけです。この指針改正の告示が3月上旬に行われ、4月1日より正式に適用となります。
➡(追加)正式に、求職者に金銭等を提供して 求職の申し込みの勧奨を行うことを禁止したリーフレットが発行されております。