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ザイムパートナーズは、派遣業に特化した社会保険労務士・税理士事務所です。


平成26年 愛知労働局における定期監督等及び申告処理状況が公表

表題が愛知労働局より公表されています。労働基準監督署の定期監督(いわゆる通常の立入検査)と申告(労働者が監督署等へ申し立てたもの)について、その件数や内容をまとめたものです。今回、派遣業に限定して申告の処理件数について確認したいと思います。ちなみに処理とは違反が認められた場合の是正勧告等のことです。未払残業代の支給などが該当します。

下記に派遣業に関する部分を抜粋しました。驚くことに、全業種での処理件数に占める派遣業の割合は13.1%にもなっています。また、派遣業での処理件数の増加率は、25年から26年の1年間で41.7%と驚異的な伸び率です。

             申告件数と違反率
     26年      25年   増加数   増加率
派遣業での申告件数      238      168      70            41.7%
全業種申告件数     1,819     1,711      108             6.3%
全業種に占める派遣業の申告割合     13.1%      9.8%     64.8%                  -

リーマンショック以降、申告件数は全業種平均で減少基調ではありましたが、26年は増加に転じました。もちろん、労働者から監督署等へ申告があったとしても実際に法令違反があったかどうかがポイントなわけですが、過去6年間での派遣業の申告件数と違反率の推移を見てみましょう。平成24年以後、再び違反率・件数ともに上昇基調にあります。

平成26年 平成25年 平成24年 平成23年 平成22年 平成21年
申告件数 238 168 164 214 258 514
違反率 70.8% 65.7% 59.7% 72.9% 72.8% 67.8%


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具体的な違反内容

労働法令の認知がされていないこと、これについては改善するしかないですが、具体的にどんな指摘事項があるのか?を理解しておきましょう。主に5つあります。

① 賃金不払い(一部不払いを含む)

② 解雇(30日前の予告または解雇予告手当の支払いがない)

③ 最低賃金の違反

④労働条件の書面通知および就業規則の不備(10名上の労働者がいるのに就業規則が未提出)

⑤労働時間(36協定の未提出および協定で定めた時間を超えた時間外労働)

違反件数及び違反率が高いのは、ダントツで①です。いわゆる未払残業代ですね。違反率は75.4%(全産業)です。怖いのは、労働者からの申告があった場合には、ほぼ2年間分間違いなく遡及されます。ここが定期監督と明らかに異なる点で、労働者からの自己申告があった場合には、監督署も法令通り容赦なく遡及してきます。事が起こってからの対策は99%不可能だと考えて、早めの対策をしておくことを推奨します。残業代の問題は、雇用契約書・給与規定をベースにタイムカードと照合すれば、簡単に法令違反が分かってしまう(現場での経験上、10分もあれば分かるものです)ことを認識したいところです。