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出向者を派遣することの是非

投稿日: 2018-10-01 |
最終更新日: 2018-09-30 |

派遣会社の労務・助成金

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ザイムパートナーズは、派遣業に特化した社会保険労務士・税理士事務所です。


出向社員と派遣社員の違い

先ずは分かりやすく、その違いを比較してみましょう。

就業形態 派遣許可 業として行える 社会保険の加入・保険料負担 雇用保険の加入・保険料負担 労災保険の加入・保険料負担
出向(在籍型出向) 不要 できない 出向元の会社 出向先の会社
派遣 必要 できる 派遣元会社

 

なお、出向には『在籍型出向』と『転籍型出向』の2つのパターンがありますが、転籍型出向は雇用関係が出向元に一切ないため、いわゆる出向という概念から外れます。在籍型出向は出向元に再び戻って勤務する可能性がありますが、転籍型出向にそれはありません。転籍型いわゆる片道切符であり、敢えて出向と呼ぶ必然性があるのか悩むところですが、出向と言えば在籍型出向のことを指す前提で話を進めます。

ポイントとなるのは、『業として行える』かです。業とは、事業と考えて良いです。基本的には営利を伴う(分かり易くいえば、利益を上乗せして相手先に請求できる)ことが可能かという点です。そもそも、形態がなんであれ、相手先に従業員を供給することは原則としてやってはいけないことです。職業安定法に下記の定めがあるからです。

 

職業安定法
(労働者供給事業の禁止)
第四十四条 何人も、次条に規定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。
(労働者供給事業の許可)
第四十五条 労働組合等が、厚生労働大臣の許可を受けた場合は、無料の労働者供給事業を行うことができる。

 

ただし、職業安定法の四条七項に次の記載があるため、派遣許可を得た場合に派遣先に派遣労働者を供給することは問題がないわけです。

『この法律において「労働者供給」とは、供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいい、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)第二条第一号に規定する労働者派遣に該当するものを含まないものとする。』

 

在籍型出向も一種の『供給』です。ただし、これが法的に問題がないのは『業として』いない場合です。業としていないとは、次のようなケースが想定されています。つまり、出向させることで利益を得ようとする意図は考えられないわけです。通常、その出向者の人件費原価(給与・賞与・法定福利費・福利厚生費の実費相当)を出向先と出向元で精算するだけで、利益は生まれないわけです。利益を生むのであれば、それは供給事業に該当することになり、前述したとおり職業安定法に違反するわけです。

 

在籍型出向は労働者派遣に該当するものではないが、その形態は、労働者供給に該当するので、その在籍型出向が「業として行われる」ことにより、職業安定法第 44 条により禁止される労働者供給事業に該当するようなケースが生ずることもあるので、注意が必要である。

ただし、在籍型出向と呼ばれているものは、通常、①労働者を離職させるのではなく、関係会社において雇用機会を確保する、②経営指導、技術指導の実施、③職業能力開発の一環として行う、④企業グループ内の人事交流の一環として行う等の目的を有しており、出向が行為として形式的に繰り返し行われたとしても、社会通念上業として行われていると判断し得るものは少ないと考えられるので、その旨留意すること。

(労働者派遣事業関係業務取扱要領 P10 より)

 

ちなみに、「業」として行なう場合とは、労働者派遣事業関係業務取扱要領に下記の記載があります(P17)

「業として行う」の意義

イ 「業として行う」とは、一定の目的をもって同種の行為を反復継続的に遂行することをいい、1回限りの行為であったとしても反復継続の意思をもって行えば事業性があるが、形式的に繰り返し行われていたとしても、全て受動的、偶発的行為が継続した結果であって反復継続の意思をもって行われていなければ、事業性は認められない。

ロ 具体的には、一定の目的と計画に基づいて経営する経済的活動として行われるか否かによって判断され、必ずしも営利を目的とする場合に限らず(例えば、社会事業団体や宗教団体が行う継続的活動も「事業」に該当することがある。)、また、他の事業と兼業して行われるか否かを問わない。

ハ しかしながら、この判断も一般的な社会通念に則して個別のケースごとに行われるものであり、営利を目的とするか否か、事業としての独立性があるか否かが反復継続の意思の判定の上で重要な要素となる。例えば、①労働者の派遣を行う旨宣伝、広告をしている場合、②店を構え、労働者派遣を行う旨看板を掲げている場合等については、原則として、事業性ありと判断されるものであること。

 

 

在籍型出向社員を派遣させることの是非

在籍型出向で受け入れた社員を他社に派遣して良いか?という質問をいただくことがありますが、上記の在籍型出向についての考え方を見れば馴染まないものと理解できます。出向させた社員が、出向元の営利事業に就くということは、労働者供給と変わらないと判断される可能性が高いでしょう。なぜなら、出向元がそのようなこと(利益が出る活動)を自社の社員にさせるのであれば、出向先は通常、出向元に利益を求めるはずです。

『それならば利益を出向先に求めなければ良いのか?』という意見もありそうですが、そんな馬鹿な経営をする会社はいないでしょう。ここで問題になるのは、出向料そのものは人件費原価で精算する。それ以外に別名目(例:コンサルタント料、管理料など)で利益をいただくという考え方です。

これは単なる形式論であり、実態が法が想定している出向という概念から逸脱しています。この考え方がOkであるならば、そもそも職業安定法や派遣法を定める必要がないことになります。この本質を忘れて、書面だけ形式を整えれば良いという危険な考えをする方も少なからずいるようですが、考え方を改めていただいた方が良いでしょう。

法律は、そもそも実質が同じであれば同様に扱うというものです。形式が違えば良いというわけではありません。そこを誤解しないようにしたいところです。

転籍型出向社員を派遣させることの是非

ちなみに、転籍型の出向(雇用関係は出向先にある)の場合なら、派遣させても問題ないのか?と問われそうですが、出向元が利益を得ているなら、業として労働者供給している(イメージとしては人材紹介を行い、入社させれて、紹介料を得ている)のと同様であるため、これも問題があるといえるでしょう。

 

 

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